参考:各種歴史資料・民俗学的記録
公開日:2026/8/4
日本に猫がいつ渡来したかについては諸説ありますが、歴史的な記録からは奈良時代から平安時代(8〜10世紀ごろ)には存在していたとされています。 中国大陸から仏典や経典とともに船で運ばれてきたと考えられており、 船内の書物をネズミから守る役割を担っていたとされています。
平安時代の文学作品には猫が登場する記述があり、当時の貴族たちに 愛玩動物として大切にされていた様子が記されています。 宇多天皇(在位887〜897年)が黒猫を溺愛していたという記録も残っています。
江戸時代(1603〜1868年)になると、猫は庶民の生活にも広く浸透します。 浮世絵師・歌川国芳は猫を題材にした多くの作品を残し、 「猫好き絵師」として知られています。 当時から「猫の絵」は縁起物や遊び心のある題材として人気でした。
また、養蚕業や米の保存においてネズミ対策として猫が重宝されたことから、 農村部でも猫の存在は欠かせないものでした。
前足を上げた「招き猫(まねきねこ)」は江戸時代に生まれたとされています。 発祥については複数の説があり、東京の豪徳寺(世田谷区)や今戸神社(台東区)など いくつかの寺社が発祥の地を名乗っています。
一般的に右手(前足)を上げているものは「金運・福を招く」、 左手を上げているものは「人・客を招く」とされていますが、 この解釈自体も地域や時代によって異なります。 いずれにせよ、猫が「幸運を呼ぶもの」として長く親しまれてきた文化の象徴です。
日本には猫の数が人間より多い、いわゆる「猫島」と呼ばれる島が各地にあります。 宮城県の田代島、愛媛県の青島などが特に有名で、 もともと漁業が盛んな島では猫がネズミ除けとして重宝され、 大切に扱われてきた歴史があります。
これらの島の猫たちは地域の人々に世話をされながら穏やかに暮らしており、 今では観光地としても知られています。